ものろぐ「J-ART」 美術と人間/美術と社会

「日本美術史」を大学や街の講座で語りつつ、多少は自分の仕事の痕跡を残そうとして建てた「物置」のようなもの。

2014-02-03から1日間の記事一覧

「日本画」は彷徨う

井上 研一郎 はじめに 「日本は疲れています。日本は自信をなくしています。日本人は彷徨い続けています。」という書き出しで始まった2002年の文化審議会の中間答申序文は、最終答申では素っ気ない文章の「まえがき」のさらに前の落ち着かないところに掲げら…

2002年 宮城県日本画のうごき

井上 研一郎 「日本画」という「ジャンル」が本当に意味を持つのか、今年も悩みながらの執筆である。本号では「二十一世紀を拓く」と題して特集が組まれることになり、従来の「ジャンル」区分に従って「日本画」がトップバッターになった。この問題について…

2001年 宮城県内日本画のうごき

井上 研一郎 芸術は戦争の前に無力か 二〇〇一年という年は、二十一世紀最初の年としてよりも、同時多発テロの起こった年としておそらく世界史に残るだろう。テロの直後、ブッシュ大統領は「これは戦争だ」と叫び、報復攻撃が始まった。議会はただ一人の議員…